2016年05月01日

早撃ち競技を始める

 ようつべ(YouTube)の影響で、またエアガンで遊び始めた。(10年ぶり3回目)

 ええと、キッカケは以下の動画である。とりあえず見て欲しい。



 見ての通り、ただおっさん(失礼)がエアガンで的撃って遊んでるだけなのだが、奥が深いのだ。

 第一、普通の人をどっかから連れてきて、同じ道具を持たせて、やって見せろとやらせても、とてもこの調子ではできない。

 要するにこれはスポーツなのだ。



 元になっているアメリカの(言うまでもなく銃といえば米国である) 『Steel challenge』は音もすごくて迫力がある。

 エアガンの『スティールチャレンジ』の場合はそこまで迫力はないものの、目にも留まらぬ速さで打つのでそのテクニックが見所。

 そしてそのテクニックを身につけた俺Kakeeeeeeeee!!が醍醐味のひとつでもある。

 ちなみにふたつ上のおっさん(失礼)は、上のおっさん(失礼)をやっつけて世界一になったすごい人だ。

 上のおっさん(失礼)こと、マックス・ミッチェルさんは数々の拳銃競技を総ナメにした経歴を持つ凄腕の射撃競技者なのだが、ふたつ上のおっさん(失礼)こと、マック堺さんは実物の拳銃すら存在しない(ことになっている)日本からアメリカに行って、ほぼエアソフトガンの技術とトレーニングだけで彼含む並み居る強豪を超える結果を出し、本場で優勝を成し遂げたのだ。

 いわゆる業界の伝説の人なのである。

 それを踏まえた上で両方の動画を見比べると、エアガンでのスティールチャレンジもカッコ良く見えてきませんか。

 マック堺さんは他にも動画を上げていらっしゃって……というか日本人ではそうそうない世界チャンピオンなのにも関わらず、今では単なるオモチャレビュアー(度々失礼)状態なのだが、多種多様なエアソフトガンを取り上げ、それらの様々な遊び方も紹介してくださっている。
 (鉄琴を撃って音楽を演奏するというのが朝番組で取り上げられたこともあるそうな)

 もちろんその中でのスティールチャレンジなのだが、他にサバイバルゲームや精密射撃もあるのに、お前が始めたのはなぜにコレなのかというと、見た目の格好良さの他にも、場所の制約、人数の制約、使用する道具の制約が最もユルイからである。

 他にも理由は色々あるが、それは後々書くとして、まずはこの三点から別の遊び方と比較してみたい。

 例えば、サバイバルゲームいわゆるサバゲーだと、極少数であってもせいぜい4人はいないと成立しない。
 まずチーム分けが成立しないし、敵が少な過ぎてスリリングではないからだ。開始2分で終わっても楽しくなさそうだ。
 逆に数百人規模で行われる全国規模のゲームもあるが、終了するまで1時間以上かかることもあるそうな。
 そうなるともう遊んでるのか仕事なのかわからないほどの苦行である。1時間走り回るなんて想像したくない……。
 しかし体力があれば勝てるというものでもなく、重要なのはコロコロ変わる状況に即した適切な行動である。
 それに仲間を集める交渉能力と人見知りしない度胸も必要になるだろう。そこら辺が個人的には非常に難しいのだが……。
 またゲーム内容を充実させるために装備を揃えていくと、軽く中古の自動車が買えてしまう値段に到達すると聞く。
 快楽を追求するためにコスプレ要素を高めていくと、エアガンを撃つだけでない技能も必要になってくる。

 精密射撃はそれに比べておとなしい。道具を完璧に揃えても10万円いかないかといったところだろう。
 サバゲーには猛練習もないが、精密射撃は家でたくさん練習できる。広い家ならなお良い。最低でも2mあればできるという。
 それに練習でも大会でも射場に立つ時はひとりだ。故に出来のいい人柄は必要ないし、撃ったらとっとと立ち去れる。
 故に完全に個人的な満足を追求する状態になる。挨拶程度のコミュ能力は必要だが、最低限それだけあればいいとも言える。
 むろん認定された競技のため順位はつくけれども、個人的な問題として、結果が2位や200位でも満足というなら問題ない。
 逆に言えば、1位でなければやる意味がない、という向きにとっては恐ろしくストレスの溜まる遊びになる。
 また競技の際に、なるべく銃を動かさない方が良い結果が出るという性質上、体力的には楽だろう。
 ブレて動くような奴は失笑を買うだろう。精神的に弱い人間の動じやすい脆い心が、ダイレクトに的の結果に反映されてしまう。
 明鏡止水というか禅の境地というか、身体どころか心まで”不動の境地”に踏み込まねば勝てないストイックな世界に見える。

 このように、両者を比較すると面白いくらい対局なのだが、この両方を趣味としている方もいるというから世の中は恐ろしい。

 個人的には、この両者の中間点、ちょうどいい塩梅を持っているのがスティールチャレンジ等の早撃ち競技だと感じた。

 多くの仲間を作る必要もなく、またひとりぼっちで禅僧のように耐える必要もなく、何より道具を揃え易そうだったから。

 必要な道具はその辺のエアガン(自動で装填されるタイプでないと無理だが)と専門ショップに行けば買える程度のホルスターとアウトドアで使うような分厚く太いベルトだけである。
 専用の的を入手して、ホームセンターで売っている園芸ポールやイレクターパイプにつけてステージをセットするとなお良い……と書いたものの、別に撃つ的は空き缶や自作したプラ板やメーカー製の別用途のやつだって良いのだ。

 また実際にBB弾を発砲しなくても、ホルスターからの抜き撃ち練習をするだけでもメキメキ上達していく。部屋でもできる。
 慣れないと1ステージを1度撃つ(1ランという)だけでも10秒くらいかかるが、それにしたって6回撃って1分である。

 そう、この遊びは、極めて短時間で遊び終えられるのである。すなわちスキマ時間でも遊べて練習できるというワケ。
 ここが重要だ。
 据え置きゲーム機が衰退してスマホゲームが台頭してきたのも「短時間で遊び終えられるから」だという。
 それに対する拘束時間が短いというのも、いい意味でも悪い意味でも魅力のひとつと言えるだろう。
 ちなみに「アンポンタン」という言葉の語源は 安い ポンと 短い だそうだが(ウソ)、エアガン遊びでここまでアンポンタンなのも他にないのである。

 しかし断っておくが、気軽に始められるから気楽にやれるというものでもない。ネガティブな点も多い。

 毎年行われる全国大会はかなりレベルの高い勝負であり、ルールやマナーも厳しく定められており、ぶっちゃけ今日道具を買った人が気軽に行ける場所ではない。
 またご存知の通り非常にマイナー競技のため、競技場所に行くのも一苦労である。大抵は主要都市部や首都圏で行われる。
 さらに言えば、拳銃という『人殺しの道具』を遊びに使う為、一般ピープルから白い目で見られる。いかにマナーを守ろうともこれだけは避けられない。
 このブログをまともに読むような方は既にある意味で世間に背を向けたオタクであろうから苦痛は少ないだろうが、いま現在一般ピープルだという方もしくは青少年が始められるという場合は、せめて家族の理解を得てから始められるのがいいかと思う。
 あのアメリカですら銃アレルギーな人がいて、所持者を見るだけでも激しく糾弾するというので、ここは神経質な問題だ。本場でこれなのだから日本では一体何人いるだろうか。
 つまるところ、始める分には気楽なのだが、楽しむために本気でやるには……家で練習するだけでもそれなりの覚悟が必要ということだ。

 また始めてみてわかったことをいくつか書いていくと……まず、前項と矛盾するようだが、これが意外とお金がかかるのである。

 スポーツ全般に言えることだが、ランニングコストというやつ。弾丸1発を発射するのにかかるお金である。
 BB弾1円、ガスガンのガス数円、メンテナンス費用一回数十円。電動であればガス代が電気代となりかなり浮く計算。
 仮に1日に何度も練習するようなら数百円〜千円程度かかると思っていた方がいいだろう。学生のように暇なのにお金はないという向きは地獄である。

 また始めに買う道具の値段もバカにならない。ほぼ18禁(条例で定められている)なのだが、ポンと買えるのは大きいお友達(おっさん)くらいだろう。

 まず銃本体が数千円〜数万円、ホルスター数千円、推奨される競技用ベルト数千円、ガス二千円、BB弾数百円〜数千円、それら一式を持ち運ぶバッグ数千円とこれらを集めていくと、始めるのには安く安くで最低でも三万円程度かかることが想像できるだろう。

 最近の学生のお年玉レートが何万円かは不明だが、他に趣味や付合いがあるならほぼ無理だろう。全てをかなぐり捨てる必要があるかもしれない。
 もちろん親御さんの援助もあり年少ながら競技に励んでいる青少年もたくさんいらっしゃるが、スポーツマン二世のような幸運の持ち主というだけである。
 とにかく他のスポーツと似たような感じで、ちゃんとしたいがためにちゃんとした道具を揃えると、とにかくお金がかかりますよというのが一点。

 また、以外と?身体のコンディションや精神面がかなり結果に反映される。

 時間が取られないからとムキになって練習しまくると、まずホルスターから銃を抜く利き手がやられる。正確に言えば肩が。次に銃を支える手首に違和感を覚えると思う。その次は肘とくる。
 意外かもしれないがキチンと基礎通りに銃を構えると全身の筋肉が疲労するのだ。
 生まれてこのかた鉄砲など一度も撃ったことのない人なら、基本動作で撃ち続けるだけでも相当疲れるのではないだろうか。
 的と銃の照星を合わせる(サイティング)も、個人の静止及び動体視力が試される上、目の疲れは脳の疲労につながるということもある。
 また、的と的の間を、銃を振って動かすというのも、やってみればわかるが足腰の筋肉を使う。日に何度もやっていればそれなりに疲れるだろう。

 それに、何よりも、より良い結果を求めていけば、自ずと「あたま」を使っていくことになる。
 技術というかテクニックのみならず、的を撃つ順番の組み立て、脳内イメージを反映させる実際の身体の動かし方……。
 いうまでもなく集中力も必要で、早く早くと焦ってもいけないし、その逆も然り。やればわかるがびっくりするほど当たらない。
 それらを含めて、こうやってこうする、という頭の中だけでわかっているものを実際に身体を使ってやってみるというのは頭も使うものだ。
 スポーツもプロ選手のコメントは非常に頭脳的である。早撃ち競技とてその例に漏れるワケではない。世の中全てのことに言えるのだが、とにかくバカには難しい。
 だからこそ、競技に出て結果が出ると、ああ自分はバカではなかったのだな、とか、この程度のバカで済んだ、とわかるので、そこが醍醐味でもあるだろう。
 かくいう筆者はまだ競技不参加で、自分がどの程度バカなのかわからないのだが。今が一番幸せかもしれない(笑)。

 故にサバゲーほどではないにしろ、早撃ち競技……スピードシューティングとは、いい意味でも悪い意味でも精神的にも『大人の遊び』である。


 ……つらつらと始めた理由と面白さなどについて書いてみた。長くなるので(すでに長いが)他のはこの辺で。

 何にしろ、おはなしは簡潔であるに限る。だが見ての通りそうはならないので、人間には才能以前に努力が必要なのだ。
 次はその努力について……要は競技に向けた練習やその他がどのくらい面白く楽しいのかどうか書いていきたいと思います。

 感謝。





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Posted by 440BB  at 00:01 │Comments(0)スティールチャレンジ

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